「独立する」という決意=「いま何ができるか」を考える力
創業当時から株式会社ヴィリングが伝え続けてきたSTEAM教育。2020年にプログラミング授業が必修化となり、STEAM教育への取り組みがようやく全国に広がりはじめました。同時に、「思考をデザインする力」「知識を活かして課題を解決する力」を伸ばす習い事を子どもに!と考えている家庭も増え、ステモンへの問い合わせや体験希望も増えています。
そんなステモン教室はこの3年間で40%増の伸び率。
ではステモンオーナーになったみなさんは、どんなタイミングで独立開業を考えたのでしょう?
教室開校までの計画は?
家族への相談は?
どんな不安や悩みが?
ここからは、全国でステモン教室をフランチャイズ経営している先生=オーナーさんのインタビューをお届けします。
【エリア】東海地方
【教室】ステモン静岡校
【オーナー歴】2年(2020年1月開校)
【生徒数】50名(2021年1月時点)
松山潤平(まつやま・じゅんぺい)さん
小学二年生から1歳までの三人の子どものお父さんでもある松山さん。会社員勤めをしながら、いつか独立したいと考え続けていました。家庭もある、子どもも小さい、さあどう一歩を踏み出すか・・・。2017年、プログラミング授業の必修化が発表されたとき、なにをするか、どうやるか、悩み続けていた松山さんの心は決まりました。ここから開業のための具体的な計画がはじまったのです。
独立開業を具体的に考え始めたころ、松山さんは会社員として塾や放課後等デイサービスの運営や管理に携わっていました。
「福祉事業所の立ち上げや数値目標の設定、人材確保などに携わっていたので、自分で放課後等デイサービスを運営することも考えました。ただ、物件の確保や人材の雇用、請求の仕組み上すぐに収入が入らないなど初期投資が大きい分野なので、もっとスモールスタートで始められるものがないかと考えていました」。
家族にも独立したいという話しをしながら、このころから松山さんは資金を確保するための副業をはじめていました。
「物件探しも計画的に。駅前で他の塾もあり、広い範囲から集客できそうな立地を選択。」
「なにかやりたい」から
「プログラミング教育がやりたい」へ
2017年の「新学習指導要領」で、新たにプログラミング教育が盛り込まれると発表され、これならやりたいことが実現できる、と感じた松山さん。
「プログラミング教室を運営する会社をいくつか検討しましたが、やるなら本質的な部分を学べるプログラミング教育をやってみたいと思いました」。
プログラミングのコードを学ぶためではなく、プログラミングに必要な思考力や判断力、表現力を養える教育の場をつくりたい、とステモンに決めました。
2019年の秋、会社を退職し、ステモンと契約。このときには、副業で貯めた資金は200万円になっていました。12月の体験会には多くの人が訪れ、入会が決まっていきました。
そして2020年1月、ステモン静岡校開校。
ところがその直後、横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のアウトブレイクを皮切りに、都内を中心に新型コロナウィルスの感染が拡大しはじめたのです。
「2019年末、看板やステッカーも設置され、体験会の日程も決まった。このあと日本中がこれまでにないパンデミックに見舞われる…。」
開業してすぐの緊急事態宣言
コロナ禍でのリスクマネジメント
夢の独立開業をした直後のコロナショック。4月は緊急事態宣言が出て教室は完全休業。
教室の収入はゼロでしたが、個人事業主としての収益はありました。開業当初から収入源を分散するリスクマネジメントを行っていたのです。
「どうしてもステモンをしたかったので、どうやったらマネタイズできるかを考えていました。まず開業すると決めたとき、元の会社に業務委託契約で仕事をもらえるよう交渉しました。ほかにも発達障がいのある方の相談支援窓口の仕事など、自分にできることがないか各方面にアプローチしていました」。
どうやって収益を確保するかを綿密に考えていたことで、コロナという異例の状況にも対峙できたと話す松山さん。
「最近は有難いことに、コンサルタント業務も増えています。開業資金として銀行から借入したお金も結局使わずに運営しています。もちろん不安はあります。でもそれは解消する方法を考えて行動すればいいので」。まさに問題解決力!STEAMの思考です。
「『最初は生徒がいないんじゃないか、と思っていたのでそれでもいいように準備をしていました』と松山さん。」
「フランチャイズにネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれません。でも加盟金やそのあとの縛り、ロイヤリティのことなど、内容をちゃんと確認して、理解して取り組めば大丈夫です」。
開業前、中村社長が「ステモンだけで売り上げを伸ばしていくのは難しい」と率直に話してくれたことが印象に残っているそうです。その結果、「やりたいSTEAM教育を、どうすれば実現できるか」に焦点を当てて考え準備をしたことが、松山さんの成功の秘訣でした。
「 生徒の多くが土曜日に通ってくる。」
1時間かけて通う価値
選ばれる習い事がここにある
現在ステモン静岡校の生徒数は50名を超えています。遠くは山梨県から通ってくれる人もいます。
「学校で必修化とはいえプログラミングは認知されにくいコンテンツです。そんななかでプログラミングを習い事に選ぶのは、お医者さんや経営者の子どもさん、お受験を予定している方、インターナショナルスクールに通っているお子さんなど、意識や意欲の高いご家庭の方も少なくありません」。
「最近ではワンコインでプログラミングを学べる教室、空き教室でプログラミング授業をする塾なども増えています。でもステモンでは、パソコンだけでなく、ブロックを使ったり、理科や算数や工学を組み合わせた学びができます。STEM教育を日本で最初に取り組み始めたというブランドのある教室というのも保護者から選ばれる理由ではないでしょうか」。
「最近はプログラミングとよみとき算数を組み合わせた2時間レッスンを受ける生徒さんが増えている。」
初年度に予定していた倍近い生徒を集客したステモン静岡校。
リスティング広告で体験募集を打ち出したり、チラシを配る際はプログラミングに関心を寄せるターゲット層を意識したポスティングをするなど、広報活動も常に戦略を持ってアプローチをしています。
「生徒数が60人を超えたら毎日アルバイトを入れていくことも考えたいですね」と松山さん。次なる展開に向けて、今日も「思考」を続けています。
「『ステモンでSTEAMの概念を届けたい』という情熱と、『どうすればステモン教室を運営できるか』というマネジメントスキル、そのバランスの重要性を教えてくれた松山さん。」