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App Inventor(アップインベンター)とは?子ども向けiOS/Androidアプリ作成ツールの特徴と使い方

「プログラミング学習は、何から始めたらいいの?」

「Scratch(スクラッチ)やApp Inventor(アップ・インベンター)って何?」

いよいよ小中高での必修化が始まり、現在注目されているプログラミング教育。

今回はそんなプログラミング教育の現場でも用いられる「Appl Inventor(アップ・インベンター)」が、プログラミング初心者・子ども向けの学習に最適な理由を解説していきます。

App Inventor(アップインベーター)とは

 

「App Inventor(アップ・インベンター)」はマサチューセッツ工科大学(MIT)が提供する無料アプリ開発ツールです。
まだまだ日本での知名度は低いですが、月間アクティブユーザー数は約120万人、登録ユーザー数は約820万人、作られたアプリ数は約3400万、195カ国で利用されています。 (2023年9月現在)

App Inventorの特徴

App Inventorの最大の特徴は、プログラミングの知識が不要で、上記のようにコードなしで直感的に各ブロックを組みあわせることでアプリ制作が可能であることです。

パズルを作るように各パーツを積み重ねて組み立てていくプログラミング言語を「ビジュアルプログラミング言語」といい、他にも「Scratch」などがこの特徴をもった子ども向けのプログラミング言語となっています。

App InventorとScratchの違いは、大きくは作成したアプリがスマートフォンで動作するか、パソコン上で動作するかです。そのためScratchから派生して学習を進める方が多く、音声認識アプリなども短い期間でリリースが可能なので、アプリ開発に興味がある方はぜひApp Inventorに挑戦してみてください。

Scratchについての解説記事はこちら

*App Inventorは、元々はGoogleが提供しており、その後MITが引き継いで現在に至ります。このような経緯から現在はバージョン2ということで、正式名称は「MIT App Inventor 2」と呼ばれています。

以下では、App Inventorでも採用されている「ビジュアルプログラミング言語」が子どもの学習におすすめな理由について解説していきます。

ビジュアルプログラミング言語とは

「テキストプログラミング」との違い

「プログラミング言語」と聞いたとき、上記のようななんだか難しい画面をイメージする方も多いのではないでしょうか。

「テキストプログラミング」言語は、文字や記号、数字のみで記述する一般的なプログラミングの方法で、JavaScript、PHP、Java、Pythonなどさまざまな種類の言語があり、それぞれの言語に得意な分野があります。
同じ論理を記述する場合でも、プログラミング言語によって文法が異なり、それぞれが別の記述ルールを持っているため、初心者である子どもたちにとっては難しいものである可能性が高いです。

ビジュアルプログラミングの特徴

その点、「ビジュアルプログラミング言語」は直近5年ほどで注目を浴び始めたプログラミング言語の種類で、視覚的に分かりやすく、全体像をイメージしやすいのが特徴です。操作方法もドラッグアンドドロップがほとんどで、タイピングや複雑な文法を覚える必要がなく、すぐにプログラムを組み立てて実行することができます。
実際に教育の現場でも、ビジュアルプログラミング言語の登場により、子どもたちにとってプログラミングを学び始めるハードルが大きく下がったと感じています。

「ビジュアルプログラミング」が子どものプログラミング学習におすすめな4つの理由

 

1.プログラミングの知識がなくてもOK
先述の通りコードでの記述が不要なので、子どもから大人まで誰でも簡単に始められます。図形やイラストがメインで、操作が簡単なため、プログラムを直感的に組み立てることができます。

2.ゲーム感覚で学べる
かんたんなアプリであれば、制作にかかる時間も30分程度からと短いのがApp Inventorの特徴でもあります。自らが考え組み立てたものが期待通り動くことはやはりお子さんにとっても嬉しいですし、ゲームをクリアするように達成感が生まれやすいです。

3.つまづきにくい
JavaやC言語など、一般的なテキストプログラミング言語ではアルファベットが1文字違ってもエラーになり、プログラムが実行されないため文法を覚える必要がありますが、App Inventorはブロックを積み上げるだけでアルゴリズム(処理手順)さえ合っていれば実行可能なため、初心者の方でもつまづきにくいです。

4.今後のプログラミング学習においても有効
ビジュアルプログラミングを学ぶ中で、「プログラミング的思考」が身に付き、将来テキストプログラミング学んでいくための素養を身につけることができます。また現在のIT企業の主流は「テキストプログラミング」ですが、現在増加中のノーコード開発・ローコード開発でも、ビジュアルプログラミング言語を採用しているものも多いです。今後、大手企業などでも採用されることが増えることで、「ビジュアルプログラミング」スキルの重要性も増していくことでしょう。

App InventorとScratchの違い

Scratchは、2006年にミッチェル・レズニックによって開発されたビジュアルプログラミングの学習環境です。Scratchを使えば、初心者は正しい構文の書き方を学ぶことなく、コンピュータ上で動作するアニメーションストーリーやビデオゲーム、インタラクティブアートを簡単に作成することができます。
Scratchは、開発環境の操作が非常に簡単なため、 特定の課題を解決したり、特定の目的を達成したりするための計算手順や処理手順を学ぶ、アルゴリズム学習に適しています。
まだプログラミングに触れたことのないお子さまへの導入としてもおすすめです。

一方、App Inventorは教育目的で制作されたプラットフォームです。ビジュアルプログラミングである点はScratchと同様ですが、App Inventorではそれと同時に、あらかじめ用意されたUI(ユーザーインターフェイス)部品を開発画面にドラッグ&ドロップすることで、アプリケーションの表示画面をデザインすることができます。

特にこのUI デザインについて、アプリケーションの見た目だけでなく、操作性やインタラクションをデザインすることの重要性を学べる点がScratchとの大きな違いです。

デザインとプログラミングの両方に目を向けることで、システムを理解した上でのUIデザインを実現し、見た目の美しさだけを追求するのではなく、機能・見た目・操作に一貫性のあるアプリケーションを開発することができるようになります。お子さまがアプリケーションを開発する際に、デザインとプログラミングの2つの分野を横断的に学べる機会は非常に重要だと考えています。

App InventorはScratchから学習を派生させる生徒も多く、音声認識アプリケーションも短期間でリリースすることが可能です。自分が考えていることに合わせて画面をデザインし機能を追加していけば、自然にアプリケーションを作ることができますので、アプリケーション開発にご興味のある方は、ぜひApp Inventorを試してみてください。

App InventorはiPhoneに対応してる?

App InventorはAndroidでもiPhoneでも一つのシステムで作ることができます。ブラウザ一つでスマホアプリが作れるのでパソコンが無くてもスマホやタブレット、クロームブックでもOKです。(チュートリアルのほぼすべても、iPhoneおよびiPadで正常に動作します。)

(例外についてや今後の機能追加予定については、公式の「Future Work」を参照してください。)

アプリ開発に必要なのは、インターネット接続が可能なコンピューター、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス、無料の App Inventor アプリ(iOS および Android)だけ。子どもたちがアプリケーションを作り、プログラミングを学ぶ環境は世界に開かれたと言っていいでしょう

(作成したアプリをiosデバイスにインストールするパッケージは現在β版になっていて複雑な手順を踏む必要があります)

App Inventorの日本語版は?

iOSにも対応し、ますます魅力的なApp Inventorですが、残念ながら2023年9月現在は、App Inventorは日本語をサポートしていません。またシステム管理画面だけでなく、操作方法の説明などのチュートリアルなども公式には全て英語だけとなっております。

英語と同時に学ぶ機会にもなりますが、せっかく学ぶのであれば、App Inventorを学習ツールとして導入している学習塾やプログラミング教室を利用してみても良いかもしれません。

*非公式ではありますが、TM Software, Inc.が実施しているMIT App Inventor 2 日本語化プロジェクトを利用することで日本語版を利用することもできます

App Inventorでできること

例えば以下のようなアプリを作ることができます:
グラフィック、サウンド、インタラクティブ機能を有するゲームアプリ
画像、サウンド、テキストに人工知能(AI)を使用したアプリ
ユーザーアンケートやグラフの取得と処理を目的としたアプリ
スマートフォンのアプリと同じように地図をナビゲートアプリ
自宅やオフィス周辺に設置したセンサーの監視アプリ

App Inventorの使い方

App Inventorを利用するのに必要なのは、基本的にGoogleアカウントだけです。
以下のスクリーンショットを参考に進めましょう。

1. MIT App Inventor 2 にアクセスし、赤枠部分をクリックします。

2.Googleアカウントを認証する

3.利用規約をよく読み、問題なければ同意する

4. 手続きはこれで完了です!左上の赤枠箇所から新規プロジェクトを作成します。

App Inventorで自作のゲームアプリを作ろう

App Inventorで自作のゲームアプリを作るために、まずはチュートリアルからはじめましょう。

公式のHour of Codeでは4つのチュートリアルを用意しています。
中でもHelloCodiは短時間で作れるシンプルなアプリなので、Hello Codiから始めることをおすすめしますが(ミツバチのCodiの絵が描かれたボタンを作成し、そのボタンをクリックするとブーンという音が鳴るようにするプログラムです)4つのチュートリアルのどれでも初心者でも1時間以内に完了できるかと思います。

チュートリアルのリンクをクリックすると、サイドバーにチュートリアルが表示される App Inventor 環境でプロジェクトを直接開くことができます。またビデオ リンクをクリックすると、チュートリアルをビデオでみることができます。また、英語のみですが、テキストによる説明のPDFファイルへも用意されていますので、ぜひチャレンジしてみてください。

App Inventorのまとめと展望

App Inventorについてまとめると
1.App Inventorはモバイルアプリを作成、テスト、公開できる無料のWebプラットフォーム
2.誰でも学習できるシンプルで直感的なブロックベースのプログラミング言語を使用して、AndroidおよびiOSアプリを構築できる※
3.Scratchのように「プログラミング的思考」を養いたい初心者・子どもにおすすめ
といえます。

プログラミング教育が必修化した背景には、「パソコンを使うスキルを身に付ける」だけではなく、「プログラミング的思考をやしなう」ことがあります。

もう少し噛み砕くと「順序立てて考え、試行錯誤し、ものごとを解決する力」と捉えることができるとすれば、上記で解説してきましたApp Inventorを使って学習を進めていくことはとても有意義なことであるといえます。
子どもがプログラミングを体験する上で大切なことは、子どもにとって使いやすいツールを選び、簡単なプログラムでも自分で作ることを体験させることです。

子どもの力を最大限に引き出し、将来活躍できる子に育てるために、最初は立派なものでなくてもでいいので、自分の作った小さな簡単なプログラムが本当に動くという大きな喜びを、お子さんに感じてもらえたらと思います。

※(作成したアプリをiosデバイスにインストールするパッケージは現在β版になっていて複雑な手順を踏む必要があります)

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